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 八代市西部地区にある、西部多目的集会所で開催された「建築相談会」にお邪魔して、「お茶どころ」を開催させて頂きました。思い返せば、西部多目的集会所は災害後から物資拠点として活用されており、何度か支援物資を運ばせて頂きました。今は市に返還され、通常の市からの貸し出し施設となっています。施設自体は一見すると、水害を感じさせてないくらい綺麗に清掃されています。しかし、実際は1階屋根近くまで水がきたそうで、今後は床を剥がしての修復作業が予定されているようです。

 

熊本県建築士会八代支部が開催している「住まいの相談会」

八代市内の各所で被災された方に向けて開かれている建築相談会。「よか隊ネット熊本」としては9月での藤本地区での開催に続いて2回目のお茶出しです。

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この日は、天候もちょうどよかたので、西部多目的集会所の前の駐車場にタープテントを広げ屋外での「お茶どころ」スペースを作らせて頂きました。

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気温もちょうどよく、坂本の雄大な自然を眺めながらのお茶スペースです。何度来ても、ほんとうにいい場所です。

 

なぜ、「お茶どころ」を開催するのか?

建築士会からのお誘いで「お茶どころ」を開催させて頂いているのですが、私達はこんな考えで開催させてもらっています。

  •  「相談会」にスムーズに気持ちが入っていけるためのお手伝い。
    • 「相談」というと、もしかすると気持ちが固まってお話に向かわれる方がいらっしゃるかもしれません。緊張せずに気持ちよく専門家の方と話に入れるように、まずは会場でほっと一息。お茶とお菓子で気持ちを和んでもらうことで、リラックスした気持ちで相談の時間に入っていってもらえるように。

 

  • 「相談待ち」の時間のつなぎ。
    • 専門相談は、一件あたり長い時間を要するときがあります。(この日も、相談のあとに現地の場所まで専門家の方が同席されていました)。そんな時の時間でもゆっくりと時間を過ごしてもらうため

 

  • 「人と人とのつながり」をつくるため
    • ここが一番の目的なのですが、災害支援では、私達は「人と人とのつながり」が一番大事なんだと思っています。災害によってたくさんの大事なものが失われます。いろんなものと、そして思い出と。支援者として何ができるのか?微々たるものですが、災害後の「人のつながり」を新しいつながりを一つ一つ生んでいくことなんだと思います。「支援者」と「被災者」というつながりももちろんですが、「被災者」と「被災者」、「支援者」と「支援者」、いろんなつながりが生まれればいいなと思って「お茶処」を開催させてもらっています。これから、どんどん複雑化していく被災の課題。そういった時に「支援者同士」のつながりというのもとても大事になってきます。複合的な支援のカタチをつくっていくため、まずは顔を合わせて話す時間が必要です。そんな時間をつくることも、この「お茶どころ」の目的の一つです。

 

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この日は、 

  • 緑茶(ホット・アイス)
  • ほうじ茶(ホット・アイス)
  • コーヒー(ホット)

そして、お茶菓子と、宇土から持っていった「小袖餅」をご提供させてもらいました。

 

被災地から被災地へ

私達が開催する「お茶どころ」で提供するお茶は、益城町の「お茶の富澤」さんのところのお茶をご提供させてもらっています。よか隊ネットは熊本地震で発足した団体です。熊本地震で知り合ったのが、「お茶の富澤」さん。益城町の上小谷地区は熊本地震で甚大な被害を受け、擁壁が大きな問題となりました。地震の痛々しい爪痕が残る地区ですが、店主の富澤さんは、力強く地域の復旧活動に尽力され、「Greentea.lab」をオープンされており、今では大人気のお茶屋さんになっています。

私達は、この益城町で起こっている「災害からの復興」のパワーを、少しでも豪雨の被災地にお届けできればと思っています。

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ご提供しているお茶がこちら。「ティーバッグ」タイプで、今回のような簡易的なお茶出しの時にでも、簡単に本格的なお茶をお出しすることができます。簡単に作れますが、「本格的なお茶の香りが楽しめる!おいしい!」ご提供した方が皆さんが口をそろえておっしゃいます。本当に、素晴らしいお茶をありがとうございます!


株式会社お茶の富澤

 

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ティーバッグと氷をボトルにいれ、シャカシャカ。たったこれだけ。笑

 

コーヒーはちょっとだけこだわりでドリップで(笑)。豆は市販の豆です。

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離れた地域からの支援

 

 今回のお茶処は「チームうと」と協働開催させてもらいました。宇土からは、「小袖餅」を朝から買っていきました。「小袖餅」は前回お邪魔したときも持っていったのですが、大好評。宇土にゆかりのある方には懐かしがってもらっています。

 そして今回は、「チームうと」が新たに取り組んでいる支援の一つを運ばせてもらいました。それが「手作りの座布団」です。(長椅子にはサイズが合っていなくてスミマセン・・)

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この座布団は、宇土市老人クラブ連合会の会員の皆さんの手作りの座布団です。

「私達ももう少し若ければ、現地にいって支援活動ができるんだけど、、、。歳も歳だし、自分の運転で被災地まで行くのはちょっと難しい、、なにかできれば・・」という声が出ていたので、それでは!ということで、支援金から座布団の材料を購入し、素敵な座布団を作って頂きました。

 

 お茶の時間のときを少しでも気持ちよく過ごしてもらいたい、そして、ご自宅でも。そんな思いがたっぷり詰まった座布団です。

 

今回ご参加して頂いたかたに、「いかがですか?」と声をかけると、喜んで持って帰っていかれました。ある方は仮設住宅で、ある方はリフォーム中のご自宅で。すべてのものが流されてしまった豪雨災害。少しずつものは増えていっているようですが、みなさん「座布団」はまだのようでした。

 

ある方は、「なんとか片付いたキッチンでもらいもののテーブルで食事を済ませている。床が少しずつ冷たくなってきたから、座布団があるととても助かる」とおしゃっていました。ほんの少しですが、、、これでちょっとでも落ち着いた食事の時間をとってもらえれば・・・

 

今回、座布団をお届けさせていただいて、「あー、こういった形で被災地にいかなくてもできる気持ちを届けることはできるんだなー」と感じました。気持ちを届ける役目を果たせることができて、ほんとうにうれしいです。

 

被災者の今

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今回ご参加された方に、少しだけお話をお伺いすることができました。

 

  • 今はみなし仮設に住んでいる。災害後、避難所に移り、すぐにみなし仮設に。もうしばらく、自宅を見ていない。自宅を見るのが怖い。でも、そろそろ家を見なければいけないので、建築士さんに相談に来た。(相談のあと、建築士さんがご自宅に動向されていました)

 

  • 建設型の仮設に住んでいる。ほぼ、毎日仮設から自宅に作業のために帰っている。仮設の「みんなの家」でも少しずつ集まりの機会ができてきている。でも、住まいのある「西部」の方にどうしても足を運んでしまう。家は全壊判定で、建て直しが本来必要なのだが、家裏には崖が空く近くにあり、新しく家を建てようとすると、建築基準に引っかかってしまい、家を建てることができない、リフォームでいいのか、、、また大雨が降ったときのことを考えると、引っ越したほうがいいのか、、全く決めきれない

 

  • 水害にあったが、2階は無事だったので、2階部分で過ごしている。まだまだこれから家の壁ゴミとかが出てくるが、ゴミ集積場がどんどん閉鎖や移動されているので、この先出てきたゴミをどうしていけばいいのか心配。家のリフォームを考えていて、建築業者との話を進めているが、これからの災害の事がどうしても心配。お金をかけてしっかり仕上げたとしても、またいつ同じような水害が発生するかわからない、もし、もう一回同じようなことが起こってしまったら、もう私はがんばれないかも・・・

 

  • 屋根部分まで水がきて、必死に泳いでヘリで救出されて、今はなんとか生活できているが、つらい。こんなにつらいんだったら、「あのときいっそ、死んでおけばよかった」といったことも考える

 

 一人ひとりとお茶を飲みながらお話させて頂きましたが、本当に大変な思いをされていることが節に伝わってきました。

 

ほんのちょっとだけ

 

ほんのお気持ちですが、、、まだまだゆっくり食事も作れないかたもいらっしゃるということで、お気持ちばかりのあさげとゆうげ

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復興支援団体チームHub-uchi(ハブウチ)名物のやぎちゃん

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まわりの草をずっと食べていました。

集まったスタッフも、参加された被災者の方も、このやぎちゃんにめちゃくちゃ癒やされていました。犬や猫もいいけど、、、ほんと、やぎもありだな・・・ 

 

 

これから寒くなってきますが、これからもできる限り「お茶どころ」を開催していきたいと思っています。

気軽にお声がけください。平日での週末でも、どこへでも向かいます。(笑

 

※本活動は、「パルシステム連合会」様からの助成金を活用して活動させて頂いています。

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9/27に、「八代市西部多目的集会施設」にて、#チームうと のメンバーと一緒に「お茶処」を開催させて頂きました。

避難所で避難生活から、仮住まい(応急仮設、みなし仮設)に移られた方々とお会いして、簡単ではありますが、冷たいお茶や、宇土や竜北から買っていったお菓子、果物をご提供させて頂き、いろいろな会話を楽しませて頂きました。

避難所となっていた八代総合体育館からうつられた方も多く、総合体育館にお邪魔させもらったときに会った方々もいらっしゃって、久々の再開がとてもうれしかったです。(私達を覚えて頂いていることに感謝)

 

応急仮設に住んでいらっしゃる方々

八代市では、豪雨災害で被災された方に向けて八代市内の2箇所に、応急仮設住宅を提供されています(「令和2年7月豪雨」による応急仮設住宅の建設について[八代市])。

その中の一つの入居が始まっており、この日は住民さんが集まっての話し合いが行われたそうです。そこで、この西部集会所での物資配布の案内があったようで、多くの方が物資を取りにこられました。

  • 木造の住宅はとても温もりが感じられて畳部屋もあるので、これまでの体育館での避難所生活に比べて、幾分かはゆっくりとした睡眠を取ることができるようになった。
  • 一人暮らし世帯で、1DKの間取り。ゆとりのあるスペースがないので、無駄なものはほぼ置くことができない。(お皿の物資を選ばれているときに「ほんとうに最低限のお皿しか持っていけない」とおっしゃっていました)
  • ロフト設計になっているけど、高齢者の方々はおそらく危なくて使えないかも
  • 日常生活で出るゴミ等の置き場所がなく、困っている
  • みんな坂本町からの住民の方々が集まってきているが、同じ坂本町といえど地区が違う人たちもいらっしゃるので、初めて顔を合わせる人たちが多い。

等々のお声が聞こえました。

仮設住宅の設計の話など、今回は「木造住宅」という大きな変化がありましたが、間取りや設計の部分でのお話は熊本地震のプレハブ仮設でもよく聞かれたことばです。

設計費や設計スペースの問題で制限はあるのでしょうけど、いざ住んでみると、どんどん細かい課題が出てくるようです。設計自体を見直すことはできないので、こういった話の中から、なにか少しでも毎日の生活での課題が解決されるような物やアイデアを考えていきたいなと思いました。

 

みなし仮設に住んでいらっしゃる方々

八代市内に賃貸を見つけて「みなし仮設」として住んでいらっしゃる方ともお話させて頂きました。八代市が準備する応急仮設住宅は約40戸。坂本町で被災された世帯の数のことを考えると、かなり多くの方々が「みなし仮設」の選択をされていらっしゃるのだと思います。

熊本地震でも「埋没」というキーワードで大きな課題が出た、「みなし仮設」。支援の手がどんどん離れていってしまうので、私達もとても心配しています。

 

今回こられたのは女性3名。災害前はすぐ近所に住まわれていた仲良し3人組だそうです。でも今はバラバラ。同じ八代市といってもとても広いですので、皆さん遠くの場所に住まわれているようです。ただ、今回は電話で連絡を取り合われたのでしょうか、一台の車で乗り合わせていらっしゃっていました。久々の再開も喜んでいらっしゃいました。

 

お話をお伺いすると、やはり「環境の変化」に大きなストレスを感じてらっしゃる感じがしました。自然豊かな坂本町。特にこの季節は風も気持ちよく、窓を開けると美味しい空気が入ってきたそうです。でも今の住まいは八代市内(10万人都市)。坂本町とは大きく違う住まい環境になっているようです。さらに高齢の方も多くみなし仮設にいらっしゃると思います。同じような感覚を感じられていたら、、、、と考えるととても心配です。

 

 

今回お邪魔させて頂いた「八代市西部多目的集会施設」は八代市から坂本町に入って一番手前に位置しています。八代市に移られた方も簡単に来れますし、坂本に行くときに必ず近くを通ります。そんな意味で、この場所が、「仮住まい(応急仮設、みなし仮設)」をされている皆様の「集いの場」の一つとして活用されるといいなと思っていました。しかし、この場所自体も水害にあっており、2020年10月から修繕作業に入るようです。

 

避難所での生活を続けている方、応急仮設住宅に引っ越された方、みなし仮設に引っ越された方、避難はせず在宅での生活を続けている方、災害からまもなく3ヶ月になろうとするこの時期、住まいの状況は多岐に渡っています。困られていることもそれぞれ、これから必要になってくる支援もそれぞれ。
 

小さな話を聞きながら、できることを一つ一つやっていきたいと思います。

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風は少し強かったですが、この日の球磨川もとても素敵でした。

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2020年9月13日、八代市坂本町藤本地区で開催された「住まいと暮らしの相談会+α」にて、会場設営と、「お茶の時間」のお手伝いをさせて頂きました。

八代から219号線を入って、橋を渡り坂本地区から少し奥にはいったところが藤本地区。浸水被害は大きく、被害が多かった家屋は床の板接ぎまでは終わっても、そのまま手つかずの状態が多く残っている地区です。少し近隣を歩きましたが、まだ人も多くは住まわれていないような印象を受けました。

 

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熊本地震のときに、「みなし仮設向けの支援活動」として行っていた「つながるCafe」のタペストリー

今回は趣旨は少し違いますが、少し雰囲気づくりになるかな?と思い、入り口に掲げさせてもらいました。

 

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入り口付近にテーブルをおき、前日に益城のGreentea.labでご購入させて頂いた、ティーバッグを使ったお茶をご提供させて頂きました。

水をいれて、ティーバッグを2包いれて、シャカシャカを振るだけ。簡単に本格的なお茶を楽しむことができます。

 

参加された住民の方、相談員として来られていた方に、お菓子と一緒にお茶を楽しんでもらいました。

 

この場所では「理学療法士」さんも来てらっしゃっており、リハビリテーションをしながらの会話を参加された住民の方々も楽しまれていました。

私達は、終始何気ない日常の話をする時間となりましたが、住民の方の笑顔がとても印象的でした。

 

そんな中でも、心のなかでは、これからの住まいのこと、暮らしのこと、いろいろと悩みは付きないと思います。

 

まずはお話から。ちょっとした癒やしの時間を作れればと思っています。

 

 

 

 

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令和2月豪雨から間もなく2ヶ月が経とうとしています。

これまで現地に足を運び、見てきたこと、聞いてきたこと、そして、これからに向けた考えなければいけないこと、等々ここで少しまとめたいと思います。

(ただし、記載の内容には主観が大きく入りますのでご注意ください。)

 

被災地の復旧作業こと

 今回の豪雨災害、被災の場所が非常に広範囲ですね。球磨川流域の人吉、球磨、芦北、坂本。私達も、この2ヶ月間で、すべての地域を回らせてもらいましたが、ほんとうに被害が広範囲であることを、感じています。

 そんな中で、被害からの復旧の状況に多いな地域差が出ていることを感じています。2ヶ月たった現在「あ、ここは少しずつだけの作業が進んでいるな」と感じるところもあれば、全く手つかずの状況もあり。今回本当に「集落単位」というのを強く感じています。大きな原因は、橋の崩落、土砂による道の寸断ですね。道の寸断がされているところは、全くもって作業に入ることができない。「コロナによる作業者の数」というのも大きな問題となっていますが、道路の復旧がとてつもなく大きな影響を与えることを改めて感じました。

 ただ、ここで気をつけなければいけないことは、見た目上「綺麗になっているな」と感じるところも、それはあくまでも「表面的」であること。見た目は綺麗になっていっても、家の中の作業は全く。まだまだ住民の方がもとの生活を送れる状態ではありません。車で通るだけでは普及作業の状況は全くつかむことができません。これは本当に気をつけなければいけないこと、水害の被害の恐ろしさを感じました。

 水害に会った家は本当にざくっと、「泥出し」→「浸水したところの板はぎ(床、壁はもちろんのこと場合によっては天井も)」→「カビ取り」→「乾燥」までを最低限やらないと、次の作業に移れません。地震と比べてはいけませんが、一軒の民家をリフォームできる状態にするまでに、とてつもない作業が係ります。

 また、人でもそうですが「重機での作業」が大きなポイント。いくつかの現場でみさせてもらいましたが「重機での作業ができるか、できないか」が作業効率にう雲泥の差がでます。そのため、現地で活動されている団体の方は今回、重機のオペレータの資格をとりに、行かれていますね。ただ、重機を使うためには「リース代、燃料代」がかかります(しかも、かなりの金額)。各地での支援団体に対して、この部分での資金援助も大きな鍵となることも感じました。

 

直接被災されていない地区への影響のこと

 今回の豪雨の量はものすごかったですが、被害の多くは球磨川の氾濫によるもの。河川に近いところの地区の被害は甚大ですが、山の上の流落等では大きな被害がなかったところもあります。では、そこへの支援は必要ないのか?

 物資支援の活動の中で見えてきたことですが、全くそうではありません。

 球磨村の山間部に一度物資を運びにいきましたが、「球磨川の橋の崩落」によって、大きな日常のルート変更が余儀なくされ、それにより「買い物難民」が加速していることがわかりました。高齢化が進む日本では、「買い物難民」の問題が言われていますが、今回の災害によって「一気に加速した地域」が出ているようです。これは芦北町からの情報でも言われていました。

どうすればいいのか?

 いくつかの地域では移動販売の支援も始まっていますが、これがどこまで継続できるのか?どこまでカバーできているのか?心配です。

「災害は特別なことではなく、日常の課題が顕在化するもの」この言葉を身にしみて感じました。

 

傾聴・相談のこと

 避難所や、被災地で何度か「お茶の時間、専門相談」の活動に参加させて頂きました。ちょっとしたきっかけで話を始めると、ほんとうにどんどんと話をして頂き、とてもありがたい気持ちになりました。地震のときもそうでしたが、まずは「起こったこと、今の生活のこと」誰がが話を聞くことが、まず最初の第一歩であることを感じました。

 そんな中で、いろいろな話につながってきます。「被災にあうと、申請書類等の山でもうそれだけで頭がいっぱいになる。今の生活を送ることでいっぱいいっぱいで、先のことなんて全く考えられれない。そもそも、何が困っているのかさえ分からない」

 現状の公的支援の枠は罹災証明を中心として「世帯」に向けた支援制度で組まれており、「個人の事情」はあまり考慮に入れられていません。一人ひとりに向き合って話を聞くと、ほんとうに一人一人に対して耳を傾けることが大事であることを感じました。

 今、各地で「専門相談員による専門相談」が始まっています。家のこと、お金のこと、これからの生活のこと、時には法的なこと、専門相談員でしか対応できないことが本当に多くあります。あまり気負いをせず、お困りの方がいらっしゃれば、ぜひ、窓口に行ってほしいと感じています。それと合わせて「民間」としての抱合せ活動もとても大事であるなと感じています。「相談」というと、どうも構えてしまう、そんな構えを少しでも緩めるために、例えば、お茶を飲みながら談笑したり、ちょっとした食事をとりながら、ちょっとした催し物を入れ込みながら、こういった被災者の方の心をほっと和ませる空間、時間づくりが「民間」としてできることやれることであると強く感じています。

 

物資のこと

今回は、「チームうと」の一活動メンバーとして、物資支援活動にも大きく関わり、現在も継続中です。

被災地へとつないだ物資は、以下の大きく2種類です。

  • 被災された方々向け:生活品、日用品、衣類、食料、飲料等
  • 被災地で活動する支援者向け:作業道具

被災地(八代、人吉、芦北、球磨、そして天草)から若干(車で1時間~1時間半ほど)離れた場所での物資拠点でしたので、「本当に機能するのか?」という不安がありましたが、蓋をあけてみると、とても多くの方に活用して頂いています。(それには、もちろん「チームうと」スタッフの被災地とつなぐ相当な努力があります)

 今回、物資に関して、「物資は十分ある!」「いや足りていない!」この2つの相反する声が聞かれました。全てにおいて「情報」ですね。SNSがここまで広がった現代において、SNSは本当に大きな情報発信ツールとなりましたね。今回の災害においててもSNSの中でもFacebookがやはり主流だった印象です。Facebook上では本当にたくさんの情報が流れていました。流れ過ぎといっていいほどくらい・・

 

 被災者の人たちにどれだけの情報が行き届いていたのか?

 

 今回の被災地は、熊本の中でも特に「高齢化」問題が出ている地域です。ネット社会となった現代、今回そこへの依存を改めてその危険性を感じました。(もちろん、物理的な「ネットワーク障害」の危険性もあり、ある地域ではインターネット通信がほぼ使えなくなった地域もありました)

  そんな中で今回改めて気づいたのが「日頃のつながり・お友達関係」。女性の方々のアナログでのつながりが本当に重要であることを感じました。チームうとの拠点に、被災地からわざわざ物資を取りにこられたのも、そのつながりからでした。日常生活の中で、いかに地域の人たちとの関係性をつくっておくのか、地域での活動の延長線上に、如何に他の地域のひとたちとつくっておくのか。これは、いざ自分が被災したときのことを想定したときにでも、日常の過ごし方を考えるほんとうにいいきっかけになったと思います。

 少しでも物資が行き渡っていない人たちに、物資をお渡しすることができて本当によかった・・・・

 ただ、今の今でも物資に困っている方たちもたくさんいらっしゃいます。また、避難所から出られてプレハブ仮設、みなし仮設に移られたかたは、一気に支援の網から外れてしまいます。生活の再建はまだまだ。先の生活が見えてくるまでは、「物」の支援もまだまだ必要であると感じます。

 

 また物資に関しては、今回も新たな問題もいくつか出てきましたね。「物資のあまり」

善意の気持ちでの動きですので、これは非常に難しい問題なのですが、「物資拠点」を実際に動かしてみると、ものすごく「人員」が必要であることがわかります。被災地ど真ん中で、お手伝いの人が集まりにくい場所ではとても大変であったと思います。

 物資拠点では、「荷物の受け取り」「仕分け」「出し先との連絡」「配達者の確保」「マッチング」等々、いろんな作業が必要です。特に衣類関係。ダンボールでたくさん届けて頂くのですが、もちろんそのままではお届けするわけにはいかず、一着一着見て、「取りに来られる方が選びやすいように」仕分ける必要があり、これに膨大な時間を要します。また、非常に心苦しいのですが、被災者には渡せない(ゴムが伸び切っているとか、、破けているとか)物資が届くこともあります。「被災」とはいえど「なんでもかんでもいる!」という状況にはならないのが今の日本です。「もし自分が被災したとして、自分だったらもらってうれしいか?」の気持ちを持った物の流通になると、余計な負担もかからずにすむのではないかと思いました。

 人手問題の解決にもなりますし、、あと最悪の場合、物資が余ってしまうと、「処分費」を団体がかぶらなければいけない自体にもなります。

 

 

支援のつながり

 熊本地震のときから「ネットワークグループ」という言葉を使わせてもらっていました。これはなにかというと、「個や団体でできる支援はわずか。いろんな人たちがつながり会うことで、点が線となり面となる」これが支援が支援となる一番大事なことであると感じたからです。

 被災者の方と直接つながっている方もいれば、つながっていない方もいます。支援できるものを持ってらっしゃる方もいれば、そうでない方もいる。専門的な知識を持っているかたもいれば、そうでない人もいる。どれか一つでも支援にはなりにくいと思っています。大事なことは「それぞれができることをつないでいくこと」。

 一つの団体が大きくなる必要はまったくないと思います。(大きくなることで、意見の相違が生まれたり、「団体運営」といった新たな視点を持たなければいけなくなっていきます)。もちろんそういった団体がたくさんうまれていくと、支援の力も大きくなれますが、そこではなく「つながりあうこと」で支援の力を大きくすることができます。被災者が「困っている声をあげること」が重要であることと同じように、支援団体・個人も「自分はこれはできるけど、これはできない、一緒にやりませんか?」と声をあげて繋がり合っていくとが大事であると感じました。

 

未来への光

 まだまだ被災地が大変な中、「未来」という言葉を使うのも難しいですが、今回、いろんな地域の方と触れ合わせて頂き、根源は改めて「地域への愛」であると感じました。繰り返しになりますが、今回の被災にあった球磨川流域は、「自分たちの住んでいる人が自らの意思で選んで住んでいる」という人たちが多い地域であると感じています。(失礼ですが、、決して住んでいく中で決して「便利」とはいいにく)

 なにをもって「便利なのか」という考え方もありますが、本当に、自然豊かで、その自然とともに「暮らし」を営んでいるところです。現地で支援活動をされている方からも「ここにね、新たな遊び場所をつくろうと思ってる!」とまだまだ泥かき作業まっ只中の状態で、この言葉を話してくれた人がいました。この言葉にどれだけの人が勇気づけられることか。もちろん、買い物のこと、病院のこと、人が暮らしをしていく中で乗り越えなければいけない課題はたくさんあるでしょう。でも、こうやって、未来の地域に向けた気持ちが一つ一つうまれていくることが、今日の力になると感じました。

 支援活動を通して、「地域力」の大事さを改めて感じています。

 

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令和2年7月豪雨災害支援活動への助成を頂きました。

また今回被災地となった、市町村への義援金贈呈に同席させて頂き、各市町村(八代市、球磨村、人吉市)のトップの方から被災地の状況のお話をお伺いすることができました。

自治体は発災後から被災地の復旧に向けて休みなく動かれていると思います。本当に頭が下がります。 熊本地震からのご縁で今回の災害に向けてもご支援頂き、心より感謝致します。 当団体としては、熊本地震によりつながった皆様、今回の豪雨災害で新たにつながった皆様と力を合わせ「災害からの新しい地域づくり」の目線で、今回お預かりしたお金を大切に活用させて頂きたいと思っております。

被災地はまだまだ手つかずの状況の地区もあります。まだまだ先の事を考えることすら考えるどころではない方々も多くいらっしゃいます。

そんな中で、地元住民のため、地域のため日々奮闘されている支援団体がたくさんいらっしゃいます。

私達は、そういった方々とつながり、被災された住民のため、住民がこれからも「暮らしていく」地域のため、少しでも力になれるようがんばります。 今後ともよろしくお願い致します。

 

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(写真)八代市にて。地図を使った被災地の確認。

 

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(写真)球磨村役場からの写真。災害の傷跡が生々しく残っています。

 

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(写真)松岡人吉市長との意見交換の様子