2019年10月20日(日)に清水公民館にて「簡単に作れる防災食」セミナーを開催させて頂きました。
ご家族での参加もあり、終始和やかな雰囲気で、「防災に関して」「防災食」に関して考える時間となりました。
防災食というと、アルファ米や保存食をついイメージしてしまいますが、今回は「パッククッキング」というものを、防災士&キッズキッチンインストラクターの井村さんを講師に招いて、実演してもらいました。
講師の井村さん
パッククッキングとは、簡単に説明させて頂くと、災害時の貴重な水でつくる防災食で、ポリ袋に具材を入れて、鍋に入れたお湯で煮る簡単料理です。
簡単ではありますが、工夫次第ではいろんな料理をつくることができます。
災害時には飲料水がとても重要です。限られた水で、しかも、調理道具、調理環境も限られています。そんな状態の中でも、なるべくおいしくて、そして温かい料理が食べれるようにと考えられた調理方です。今回茹でる水も水道水を使用しましたが、緊急時には、茹でるお湯として、飲料不可の水を使用することも可能です。(具材は全てポリ袋で密封されているため)
井村さんによるパッククックの説明
現在、世の中にはいろいろな非常食が開発され販売されていますが、今回の料理は、日常の中でキッチンにあるものを食材として使います。
非常食の備蓄はもちろん大事なのですが、それが手元にない場合もありますし、もしかしたら賞味期限がきれているかもしれませんし、人数分に十分に確保されていないかもしれません。
そういった状況も考慮して、「日常の生活の中であるもの」を活用することが実はとても大事になってきます。
そんな中で今回は、以下の5種類の料理をみなさんと一緒に作りました。
・親子丼(ご飯)
・蒸しパン
・乾物キラキラサラダ
・お味噌汁
・焼きそば
ご飯はもちろん普段食べるお米を使って、ご飯を作ります。食材もあるもので工夫して。例えば卵がなかった場合はマヨネーズと水で代用するといった感じです。また、食材をきるのも包丁ではなく、はさみを使います。まな板が準備できるかどうかわかりませんし、なにより洗い物をへらすことができます。
準備した具材を全てポリ袋に入れて、あとは茹でるだけ。
ここがポイント!ポリ袋に入れたら、空気をしっかり抜いて、袋の上部でしっかり結びます。
結んだポリ袋をお湯の中にぽとんと。
またここも一つ注意が必要です。袋が鍋に直接当たらないよう、お湯の中にしっかり入れます。鍋に袋があたっていると、溶けてしまいます。
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茹でる時間がありますので、この時間を使って、「防災について」みなさんと考えてみました。
記憶に新しい、台風19号の豪雨被害。近年を振り返ってみると、毎年どこかの地区で自然災害が起こっています。熊本では2016年に大地震を経験しましたが、昨今では水害、土砂災害が頻繁に起こっていますね。大地震もいつ起こってもおかしくない状況です。
そんな中で、考えなければいけない「日頃の備えは?」
自助、共助、公助という言葉がありますが、全てにおいて日頃からできること、やっておけることがあります。
防災グッズは、自分たちの家族構成、世代、個人の状況を考慮した準備になっているでしょうか?水は、一人一日3リットル必要だと言われています。小さいお子様がいらっしゃるご家庭は、お子様用の準備がいるかもしれません。災害時には、おむつや離乳食等の幼児向け要因はすぐに枯渇します。お年寄りの方にはリュックに入れているだけでは持ち運びが難しいかもしれません。セット売りされているものを買えば大丈夫というわけではなく、状況に応じて、「どんなものが必要なのか?」を改めて見直してみるとよいかもしれません。
また、どこに置いておくか?も改めて考えておきましょう。玄関に置いておくだけではもしかすると持ち出せないかもしれません。いくつかの場所に分けて置いておくことが推奨されています。
また、被災は一時的なものではありません。緊急時が乗り越えられたとしても、避難所生活が必要かもしれませんし、仮住まい(プレハブ仮設、みなし仮設)を余儀なくされるかもしれません。そうなると被災は数年にも渡ります。そういった時にやはりいちばん大事になってくるのは「共助」です。熊本地震に関わってきて、強く感じました。困った時の助け合いはもちろんのこと、誰かと何気ない話をする、誰かに吐き出す、誰かと一緒にご飯を食べる、そういった何気ない時間を持てるか持てないかも、とても大事となってきます。
耳にすることは大きくなりましたが、「地域コミュニテイ」について、いま改めて地域のみんなで考えておくとよいかもしれません。
こういったお話を行って、最後は「パッククッキング」でできた料理をみんなで試食しました。
盛り付けの様子
できたお料理
お店で食べるような料理とは言いませんが、お湯で茹でるだけでも、とても美味しい料理ができました。
なにより「温かい料理」というのがいいですね。
みなさん、とても楽しまれていたようでよかったです。
災害のこと、防災のこと、改めて一緒に考えていきませんか?