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熊本地震後の視察として新潟のとある避難所施設にお邪魔させてもらいました。

そこは普段は子ども向けの遊びの施設。

ただし、緊急時は物資拠点や避難所に活用されます。 そこで印象に残っていた一言があります。 「避難所は平時での活用が大事。スタッフさんと顔見知りになっていたり、普段から足を運ぶ場所であることが大事。緊急時の大変なときに、使い慣れている設備であったり、顔見知りの人たちがいることで避難生活の過ごし方が変わる」 熊本でも熊本地震後、防災施設が新しくいくつもできました。 

そんな中で、先日、「#チームうと」で準備した支援物資を、球磨村の山間部の三ヶ浦地区にある「#田舎の体験交流館さんがうら」避難所に運ばせてもらいました。

人吉から入っていったのですが、一番近いアクセスのための道路は通行止め、橋も壊れているため、一勝地からの周り道。山を抜ける道路で離合もやっとの道幅で、アクセスがとても大変な状況でした。 GoogleMapでなんとか到着。施設長に暖かく迎え入れて頂き、物資をお届けさせて頂きました。(ちょうど、赤十字の方もいらっしゃって健康管理に関しても見ていかれていました)

小学校跡を活用した施設で、普段は田舎体験等の宿泊や、高齢者の方々の交流施設として活用されている場所でした。教室を活用した宿泊部屋、そして新たなに作られた入浴施設や選択施設、食事施設等の設備がありました。ここで数世帯の方が避難生活を送られているそうです。 廃校の活用、平時の活用がとてもいきているなと感じました。

ただし、問題はアクセス。数日前に新聞にも取り上げられていましたが、買い物に行くためのルートが変わったために、高齢者にとってはとても大変な状況となっていました。今は施設長さんが定期的に避難者の要望を聞き、まとめた買い物に行かれているようです。この状況はおそらく、ずっと続くと思われます。 施設長の方も、被災されているのにご自身の時間はとらず、ほぼ全ての時間をこの避難所の方々に向けた時間に使われているとのことでした。こういった方が避難所を管理されているということは、どれほど安心できることか。

避難生活のサポート、買い物のサポート、今後も解決すべき課題が大きいですね。実は高齢化社会につきつけられた課題がここに凝縮されている感じもしました。 今後、避難所は閉鎖されて、仮住まいへの転居が避難者には求めら得てきます。

引っ越し作業も被災者にとってはとても大きな負担です。精神的にも肉体的にも。 この「さんがうら避難所」は避難所閉鎖後も、ここで仮住まいとして継続して利用できるように申請されているようです。なんとしてでも、ここは認められてほしいですね。 まだとても早い話ですが「防災、平時と緊急時の融合」という視点でとても学びの多い場所と活動でした。 山奥にあることから、支援の手がなかなか届いていないようです。細かくいくのもなかなか難しいですので、球磨支援に行かれるときに、一つ頭において頂き、いくつかの団体・個人が連携して支援に入れるといいですね。

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「0からのスタートととよ」

八代市にある2つの避難所で、 熊本県シェアリングネイチャー(ネイチャーゲーム)協会 さん主催の「お茶の時間 こびる」に参加して来ました。 

 

こだわりの飲み物、全国から集まったお菓子たち、ちょっとだけ贅沢な紙コップ、約3週間も経とうとする避難生活の中で、「ちょっとした安らぎ、ちょっとした贅沢、ちょっとお話」の時間を過ごしてもらうための活動です。 冒頭の言葉は、そんな時間の中でお話した、ある高齢の女性がこぼされた一言です。 なにも言葉を返せませんでした。

この方は、水害の際、二階まで浸水し、屋根の上に避難してようやく助かったのこと。そんな状況をこの時は少し笑顔で話して下さいました。  当然、家の中にあったものはすべて水没。これまでの時間、避難所で寝泊まりしながら、家の片付けに毎日のように行かれていたそうです。 片付けは少しずつ進んでいるが、、解体されるそうです。 この日にご参加されている方と、いろいろとお話をさせて頂きました。

ある方は、片付け作業がほぼ終わった方もいらっしゃいました。 熊本地震のときもそうでしたが、慌ただしい2−3週間のときが立ったときから頭をよぎること、「これからの生活をどうしよう」 住む場所のこと、 家族のこと、 家のこと、 家具のこと、 生活用品のこと、  「未来」のことを少しだけ考え始めれる時期となってきます。

慣れ親しんだ土地を離れる決断がどれくらいつらいことなのか。 泣いて話してくれた高齢男性の方もいらっしゃいました。  

私達は話を聞くことしかできませんでした。 「大丈夫」という言葉は決して出せませんが、できることは話を聞くこと、心を寄せること。そして、自分の生活の時間から、少しだけ誰かのための時間を作ること。 無くしたものは取り戻せないけど、新しい何かを作り出して行きましょう。

 

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(写真)こだわりのコーヒーを一杯ずつ、丁寧にいれます。

 

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(写真)ゆっくりと、お話する時間。

2019年10月20日(日)に清水公民館にて「簡単に作れる防災食」セミナーを開催させて頂きました。

ご家族での参加もあり、終始和やかな雰囲気で、「防災に関して」「防災食」に関して考える時間となりました。

 

防災食というと、アルファ米や保存食をついイメージしてしまいますが、今回は「パッククッキング」というものを、防災士&キッズキッチンインストラクターの井村さんを講師に招いて、実演してもらいました。

 

 

講師の井村さん

 

 

パッククッキングとは、簡単に説明させて頂くと、災害時の貴重な水でつくる防災食で、ポリ袋に具材を入れて、鍋に入れたお湯で煮る簡単料理です。

簡単ではありますが、工夫次第ではいろんな料理をつくることができます。

 

災害時には飲料水がとても重要です。限られた水で、しかも、調理道具、調理環境も限られています。そんな状態の中でも、なるべくおいしくて、そして温かい料理が食べれるようにと考えられた調理方です。今回茹でる水も水道水を使用しましたが、緊急時には、茹でるお湯として、飲料不可の水を使用することも可能です。(具材は全てポリ袋で密封されているため)

 

 井村さんによるパッククックの説明

 

現在、世の中にはいろいろな非常食が開発され販売されていますが、今回の料理は、日常の中でキッチンにあるものを食材として使います。

非常食の備蓄はもちろん大事なのですが、それが手元にない場合もありますし、もしかしたら賞味期限がきれているかもしれませんし、人数分に十分に確保されていないかもしれません。

 

そういった状況も考慮して、「日常の生活の中であるもの」を活用することが実はとても大事になってきます。

 

そんな中で今回は、以下の5種類の料理をみなさんと一緒に作りました。

 

・親子丼(ご飯)

・蒸しパン

・乾物キラキラサラダ

・お味噌汁

・焼きそば

 

ご飯はもちろん普段食べるお米を使って、ご飯を作ります。食材もあるもので工夫して。例えば卵がなかった場合はマヨネーズと水で代用するといった感じです。また、食材をきるのも包丁ではなく、はさみを使います。まな板が準備できるかどうかわかりませんし、なにより洗い物をへらすことができます。

 

準備した具材を全てポリ袋に入れて、あとは茹でるだけ。

ここがポイント!ポリ袋に入れたら、空気をしっかり抜いて、袋の上部でしっかり結びます。

 

結んだポリ袋をお湯の中にぽとんと。

またここも一つ注意が必要です。袋が鍋に直接当たらないよう、お湯の中にしっかり入れます。鍋に袋があたっていると、溶けてしまいます。

 

...........

 

茹でる時間がありますので、この時間を使って、「防災について」みなさんと考えてみました。

 

記憶に新しい、台風19号の豪雨被害。近年を振り返ってみると、毎年どこかの地区で自然災害が起こっています。熊本では2016年に大地震を経験しましたが、昨今では水害、土砂災害が頻繁に起こっていますね。大地震もいつ起こってもおかしくない状況です。

 

そんな中で、考えなければいけない「日頃の備えは?」

 

自助、共助、公助という言葉がありますが、全てにおいて日頃からできること、やっておけることがあります。

 

 

防災グッズは、自分たちの家族構成、世代、個人の状況を考慮した準備になっているでしょうか?水は、一人一日3リットル必要だと言われています。小さいお子様がいらっしゃるご家庭は、お子様用の準備がいるかもしれません。災害時には、おむつや離乳食等の幼児向け要因はすぐに枯渇します。お年寄りの方にはリュックに入れているだけでは持ち運びが難しいかもしれません。セット売りされているものを買えば大丈夫というわけではなく、状況に応じて、「どんなものが必要なのか?」を改めて見直してみるとよいかもしれません。

また、どこに置いておくか?も改めて考えておきましょう。玄関に置いておくだけではもしかすると持ち出せないかもしれません。いくつかの場所に分けて置いておくことが推奨されています。

 

 

また、被災は一時的なものではありません。緊急時が乗り越えられたとしても、避難所生活が必要かもしれませんし、仮住まい(プレハブ仮設、みなし仮設)を余儀なくされるかもしれません。そうなると被災は数年にも渡ります。そういった時にやはりいちばん大事になってくるのは「共助」です。熊本地震に関わってきて、強く感じました。困った時の助け合いはもちろんのこと、誰かと何気ない話をする、誰かに吐き出す、誰かと一緒にご飯を食べる、そういった何気ない時間を持てるか持てないかも、とても大事となってきます。

 

耳にすることは大きくなりましたが、「地域コミュニテイ」について、いま改めて地域のみんなで考えておくとよいかもしれません。

 

 

こういったお話を行って、最後は「パッククッキング」でできた料理をみんなで試食しました。

盛り付けの様子

 

できたお料理

 

 

お店で食べるような料理とは言いませんが、お湯で茹でるだけでも、とても美味しい料理ができました。

なにより「温かい料理」というのがいいですね。

 

みなさん、とても楽しまれていたようでよかったです。

 

災害のこと、防災のこと、改めて一緒に考えていきませんか?

 

 

 

 

 

 

 

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2019年6月27日(木) 「くまもと伴走型支援助成金」の贈呈式を現地事務局としてサポートさせて頂きました。

 

「くまもと伴走型支援助成金」は、公益財団法人 共生地域創造財団が熊本地震の支援と一環として熊本で活動する団体の活動に対する助成金です。

助成の趣旨として、

・復興支援を通じて共生地域の創造に取り組む活動を支援します。

・被災者の自尊感情と自己有用感を尊重した相互性のある活動を支援します。

・熊本地震から3年目を前にして活動が継続的につづくために支援の地地域定着を支援します。

とされています。

 

このような趣旨のもと、複数団体にご応募頂き、7団体様に助成させて頂くことになり、この日に、助成金贈呈式を開催させて頂きました。

 

現地事務局としては、「よか隊ネットを含む、助成団体の連携」が一番重要であると考えています。

目に見える災害支援の状況も減ってきて、災害支援と地域支援、まちづくり、いろいろと複雑な視点がこれから必要になってきます。そんななか、それぞれの団体が情報を共有し、連携することが、複雑化する問題に対する一番大事なことなのではないかと思っています。

 

そういったことも含めて、贈呈式の中で、短い時間ですが、各団体様に、「これまでの活動」「助成金を活用した今後の活動方針」を発表して頂きました。

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各団体様とも、ほんとうに素晴らしいプレゼンと、活動内容でした。

今回、このような団体様が助成を受けられ、これから一緒に活動していけることに対してとてもうれしく感じました。

 

贈呈式終了後のフリータイム。

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初めて顔を合わせる方々も多かったので、少し心配したのですが、なんの問題もなく、みなさん全ての人と話され、早速これからの事で盛り上がっていました。

 

本助成金の活動期間は二年ちょっと続きます。

それまでに、熊本の状況は大きく変わっていきますし、日本全体も大きく変わっていくと思います。

 

また新しい一歩の始まりです。

熊本地震から二年半が立ちました。

現在、プレハブ仮設の自治会支援のお手伝いをさせて頂いているのですが、住民の方から新しい声が聞こえ始めています。

 

「私たちは、いつまでこの場所(プレハブ仮設)に住み続けることができるのだろう。」

 

益城町では災害公営住宅の抽選会があったようで、自宅の再建をされず、災害公営住宅に希望を出された方も、一歩一歩、住まいの再建に向けた動きが出始めてきています。

建設はまだこれからということで、公営住宅に引っ越すのはまだ先になりそうです。

 

そんな中、自宅を再建された方が、一人、また一人と。

先日もあるプレハブにお住まいになっていた、高齢男性の方も、9月下旬には家が建ちここを出られれていくというお話を聞きました。

 

そんな、喜ばしい話を聞く一方、プレハブ仮設にまだ住み続けらえる方の今後が気になりました。

 

現在のプレハブ仮設の様子を見ると、駐車場に泊まっている車もちらほら。

敷地内を歩くと「空き家」と張られたところも多くみられます。

 

「人がどんどん出て行ってさみしい」

 

そんな言葉も聞かれます。

 

誰とも接することなく、毎日がたんたんと過ぎていく。

そんな日常を送られている方も、もしかするといらっしゃるのかもしれません。

 

私たちは、そんな日常にちょっとでも変化を与えるべく、仮設毎に2週間に一度「朝食会」を行っています。

 

朝のご飯の時間だけでも、ちょっとした安らぎの時間をとってもらいたい。

誰かとの会話の時間をとってもらいたい。

「あなたのことを気にかけている人たちがいますよ」ということを感じてもらいたい。

 

そんな気持ちからです。

 

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とある別の仮設では自治会長さんからこんなお話を聞きました。

 

「プレハブ仮設に住んでいる期間は、どうせ2年から3年。そんなに長くは住み続けられない。それだったら、せっかくこの集まったメンバーで、楽しい時間を過ごしていきたい」

 

プレハブ仮設の環境は決してよくありません。部屋は狭いし、洗濯物を干す場所も十分確保されていません。コインランドリーに行く方も多くいらっしゃいます。

そんな環境の中であっても「楽しく過ごしたい」

 

これは誰しもが願うことだと思います。

 

「住まいの再建を!」

熊本の今は、この言葉が多く聞こえます。

もちろん住民さんも、次の暮らしに向けて日々悩み、選択し、次の生活に向けて歩み続けていらっしゃいます。

 

わたしたち民間団体にとって、「住まいの再建」に向けてお手伝いすることは限られており、時にはお話を聞くだけしかできません。

しかも、月に何度かの限られた時間だけ。

 

住民の皆様で、お互いが気にかけ、声を掛け合える関係性づくり。

 

ここのサポートが私たちのできることだと思い、活動を継続しています。

 

先日は朝ご飯の時間の中から、お米の話になり、農家の話になり、もうすぐお米の収穫の話になり。

 

「それなら、ここで収穫祭をしよう!」

 

という話にまでいきました。

うれしいですね。実現に向けて、お手伝いをしっかりがんばろうと思います。

 

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ある仮設では、「新しくプレハブに引っ越してこられた方」が朝ご飯に来ていただきました。

 

ご飯よりちょっと早い時間にこられ、「何かお手伝いできることはないですか?」と、私達に気を使って下さいました。

朝ご飯の時間では、向かいの席に座られた方と、お互い自己紹介をされたり、料理の話をされたりと。

 

朝ご飯の時間が、挨拶のきっかけの時間となったことがとてもうれしかったです。

 

「プレハブ仮設にはみんなの家があって、こうやってみんなで集まれる機会があっていい」

という声も聞かれました。

 

そんな言葉の中から、ふと、みなし仮設の人たちは、今どんな気持ちで日々を送っておられるのだろう、とも気になりました。

 

 

災害公営住宅の話も進み、熊本ではこれから、本格的な人の動きが多くなってきます。

 

人が動くということは、「新しいコミュニティ形成」です。

 

知らない人同士が、また顔を合わせ、同じ地域に住んでいく。

関係性が築けるまでには大きなパワーが必要です。住民の方々もここを特に気にされていました。

 

民間団体としてできること。

朝食会を通して気付いたこと、繰り返してはいけないこと、たくさんの学びがあります。

この学びを、次のフェーズに生かしていきたいと思います。