2020年11月28日(土)
人吉市下薩摩瀬地区のみなし仮設住宅のなっている敷地をお借りして、「下薩摩瀬で会いましょう」という地域住民交流会を「チームうと」と連携して開催させて頂きました。
今回の災害ではいろいろな地区を見させてもらっていますが、本当に地域ごとに状況の違いを痛感しています。そして感じているのが、地域住民の分散。個の再建の前に重要となってくる「地域の再建に向けた住民の集い」がとても必要だと感じています。
地域の状況
この地区は、川沿いのエリアはほぼ、全壊・大規模半壊判定の家屋で、川から離れた場所でも大きな浸水被害を受けた地区です。地域の公民館も大きな被害を受け、改修作業が進められていますが、年内に清掃が終わるのがやっとの地区で、地域住民の集いが非常に難しい地区です。
「チームうと」の人吉出身のメンバーが、この地区に同級生の方がいらっしゃって、その方と現在の状況を詳しくお伺い致しました。
川沿いのエリアは、人気も少なく、ほぼすべての人が、仮設住宅やみなし仮設に移られていて、今後はおそらく公費解体が進んで一気に地区の様子が一変するだろう。
川から離れたところでは、順番でリフォームを進められているところまれば、まだ手つかずで、二階で生活を送られているかたもいる。現在は見た目もだいぶ戻ってきているが、水害により一階部分においていたものはすべてダメになっていて、物がほとんどなくなっているが、在宅ということもあり、物資等支援の手が殆ど入っていない。
地域の集いに向けて
こういった状況を受け、地域の方と調整して、「まずは、地域の人たちが集える場をつくりましょう」というお話になりました。
そこで、「チームうと」と連携し、交流企画「下薩摩瀬で会いましょう」を開催させて頂きました。この企画を、「ひまわり亭」の本田節さんにご相談させて頂いたところ、「ひまわり亭のキッチンを使っていいよ!お米も使って!」と心強いバックアップを頂きました。
チラシ配り、声掛けもあって、この日はたくさんの方にご参加して頂きました。
やはり思っていた通り、災害後住民さん同士の出会いがほとんどできていなかったようで、至るところで「久しぶりー、元気だったね?」という声が聞かれました。
準備させて頂いたテーブルを囲んで、終始笑い声の会話がされていました。こういった場づくりのご協力ができて本当にうれしく思います。
チームうとからは、名産の海苔をご提供。パリパリとした食感で私もおいしく頂きました。
ひまわり亭で調理させてもらった豚汁も大盛況。
私達「よか隊ネット熊本」からは、コーヒーとお茶をご提供。
コーヒーは豆から挽いたものをご提供させていただいたのですが、これが本当に喜んで頂きました。私達が目指す「ほっと一息できる、ちょっと豊かな時間」を感じてもらって、本当にうれしく思います。
まだまだ支援が行き届いていない
今回ご協力して頂いた「ひまわり亭」の節さんが、現場に登場!持っていらっしゃる冬物衣料を届けて頂きました。
そろそろ冬が本格化しているこの季節。仮設住宅では、冬物衣料の提供がいくつか行われています。在宅やみなしの人たちにはどうだろう?
心配していた通り、在宅やみなしの方には全く届いていませんでした。参加された方は、サイズにあった衣服を喜んで持って帰っておられました。
やはり、、、支援の手が行き届いていないところがまだまだたくさんあるということを痛感しました。
個のお困りごと
今回は「交流」をメインとした場作りでしたが、お一人表情が硬いかたがおられたので、少しお話をさせていただきました。
この方は災害前に賃貸アパートに住まれており、水害によってアパートは全壊。住めなくなったために「みなし仮設」に現在は住んでいらっしゃいます。
話を聞くと、「アパートは住めなくなったけど、契約の関係もあって家賃はあれから払い続けている。」ということでした。
ちょうどこの日は、民間の相談員の方も参加されていたので、この件を相談すると「熊本地震でも同様の事例があったが、災害でこのような状況であった場合は、通常の契約を超えて、家賃を払わなくてよくなった事例もある」とのこと。事例をご紹介し、相談員の方にお繋ぎさせて頂きました。
地域の交流、個のお困りごとの相談、まだまだ必要な支援が必要であると感じた一日でした。