熊本地震支援活動報告~親は子を思い、子は親を思う。人は町を思い、町は人を思う。~

親は子を思い、子は親を思う。人は町を思い、町は人を思う。

 

みなし仮設への訪問をスタートさせて3ヶ月半が経ちます。  

 見守り支援を必要とする避難世帯は、これまでの震災において4割程度とされていますが、我々の訪問でも同程度の割合でいらっしゃいます。そんな訪問の中で出会った、ひと世帯のお話です。

 冷え込みが厳しい1月吉日、あるお宅にお邪魔しました。飛び込みで伺ったにも関わらず快く招き入れてくれ、「昨年12月のつながる広場では楽しませて頂きました」とお礼を頂きながら面談がスタート。 地震によってご自宅は全壊、家財道具も殆ど取り出せず。また地震で母が骨折し、数ヶ月入院することに。みなし仮設へは5月から入居したというものの、落ち着いてきたのはここ最近やっと、皆さん大変な思いをされたそうです。

 そんなご家族の仲が大変良いということ。

 我々が何か質問をすると皆さんで顔を見合わせて「あの時はこんなだったね」「あなたはこうだったよ」と語り合う。我々は“話を聞く”でなく、“輪を見守る”ばかり。それがなんとも微笑ましく温かい時間で、自然と長居する形に。復興への道のりは長く厳しいと思うのですが、このご家族であれば最後は笑顔で語り合っているだろうと感じます。

 特に印象深かったのが、父の言葉。「孫がいないので、土地はいずれ我々のものではなくなる。だから、町に譲渡し、災害公営住宅に利用して頂くのはどうでしょう?」との提案を頂きました。実現は難しいかもしれませんが、被災して家財を失った方から頂くと大変勇気付けられるお言葉です。相手を思う気持ちが積み重なって復興を成し遂げられれば、震災前より豊かな町となるだろうと痛感した面談でした。

 そして、そんな家族に絆されて、自分も実家の親に電話しようと決意するアラフォー独身訪問員でした。