仮設住宅の現状と課題

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仮設住宅は孤立していないか?
様々な社会問題が一気に表面化
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熊本市東区の一角にできている小さな仮設住宅にお住まいの方にお話を聞くことができた。
仮設住宅の間取りは3K。夫婦と小さい子ども3人、そしてお腹の中に赤ちゃんがいらっしゃる。一人のお子様は数日後が誕生日。
 
数日前までは、仮設受託の周りの雑草が凄かったそうだが、ちょうど訪れた日には草刈り作業が行われていた。問題を市に上げたら早速対応してくれたそう。よかった。でも、、たぶん雑草の問題はずっとまえから出ていた問題。。もしかしたら、やっとこさ対応してくれた、ということなのかもしれない。
  
2年間の保証がある仮設住宅住まい。「その後はどういった計画を立てられているんですか?」と聞いてみた。
「この付近で住むことを考えないと、、子どもの保育園もあるし、、変に違う場所に移ってしまうと、、子供たちを保育園に入れるかどうかの問題がまた増えてしまう。」
ここで頭をよぎるのは「待機児童」の問題。熊本でも例外なく待機児童の問題が起こっている。こういった現状を考えると、今の状況から引っ越して、さらに待機児童の問題を抱えるということは、、それはもう精神的にも大きな影響を与えるだろう。今の日本が抱える様々な社会問題。仮設住宅に住む人達は、この社会問題が、これまで以上にとても大きくのしかかってくる。
  
 
公園のあった場所にできた仮設住宅。ここには、コミュニティスペースがないどころか、子供たちが遊ぶ場所すらない。生活環境が変わった現在、せめて子供たちには精一杯遊んでもらいたいとうのが親の想い。そんな発言を聞いて周りを見渡してみたが、遊ぶスペースはない、住宅の間は車が通るためのアスファルト、その周りはちょっと大きめの石が敷き詰められている。こんなところでは、子供たちは走り回ることすらもできない。
 
  
緊急対策で建設された仮設住宅。どれだけ暖房対策ができているのだろう。。。聞いてみると、今でも既に寒いそう。建設に関しては素人だが、、住宅の下を見てみると完全な空洞。たぶん断熱材は入っていない。まさしく「底冷え」の環境。暖房器具の購入が必須になってくるが、行政に相談してみると、「お渡ししている支援金から購入して下さい」ということ。確かに、お金を渡されているという事実があるので、購入はできないことはない。しかし、これからの新しい住居を含めた生活の事、まだまだそろっていない日常品の事、子供達の事を考えると、お金はいくらあっても足りない。なかなか家電製品を購入するまとまった金額を準備はできない。でも、日に日に気温は下がってくる。支援物資はどんどん減っている現実。家電製品の支援はとても期待できない現実。
  
  
仮設住宅の周りの環境問題、子ども問題、住宅問題、様々な問題が出てきている中、こういった環境においての一番の問題は「自治」ではないかと思う。「自治会」という言葉は最近では、あまりいい風にとらわれなくなってきているが、人間が集まって住んでいく上で大きな役割を果たすのが「自治会」。今回、やむをえず仮設住宅に住むことになり、急遽集まった人たち。当然、その中で生活をしていく上での協同作業等をとりまとめる自治が必要なのだが、、仮設住宅に移って来た人たちには、そういったところまで手を回せる余力がない。仮設住宅建設というハード面の予算は使われても、そこから「自治」を運営していくためのお金は使われていない。もしかすると全く考慮すらされていない。
もしかすると、地域の繫がりが薄れていってきている現代社会において、人が新しく自治を作っていく事自体、今となっては難しい事なのかもしれない。
  
今回の出会いで改めて思った。
まだまだ支援は必要。いろんな角度からの支援が必要。もしかすると今まで以上の支援が必要なのかもしれない。
 
  
週末はあるイベントで大盛り上がりだった熊本市内。どんどん活気が戻ってきている熊本。地震前の生活を戻すことができている人もたくさんいるのだろう。
 
  
どんどん収束していく熊本地震という事実。ただし、これが現実。
熊本はこれから!